流儀と行儀

ここ数年、日本人の言動が変わってきたように感じます。
それ自体の良否は別としても、違和感を感じる立ち居振舞いや言動が目につきます。


自己を中心に置いた場合、自分らしさを表現する言葉のひとつに「流儀」があります。
主に芸道において使われてきた主観的解釈で、ひとつの分野において、その心構え や手法の他との違いを明確化し、共通の価値観をもった集団によって維持継承され 最近は自分なりのやり方を表わす言葉として比喩的に使われているようです。


この流儀に対して、客観的な共通概念に「行儀」があります。
仏教語に由来しますが、礼儀作法にかなった立ち居振舞いを意味し、人々が共同で 気持ちよく生活していくための基本的な約束事です。 決して堅苦しいものではなく時代性や価値観の変化に伴って行儀の形も基準も少しずつ変わってきています。


流儀も行儀も、それを成立させているのは道徳観であると思っています。
無意識のうちに認識している正邪・善悪の規範で、宗教や国民性、教育に依存する部分も多くありますが、判断に共通性や一致があり、社会性とも深く関わります。
自分流を貫くのは結構ですが道徳感を忘れた行儀や流儀はなんの意味も持ちません。


新しい1年の始まりに当たって、今一度、謙虚な姿勢に立ち返り、社会の一員として の行儀と、時代を生き抜くための流儀を見直してみようと思います。

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2015年1月1日
株式会社 イーストビューアルファ